2017-01-01から1年間の記事一覧

M.ハイデッガーそこに立ちながら、この建築作品は、その上で荒れ狂う嵐に耐え、そのようにしてはじめて嵐そのものをその威力において示す。岩石の光沢と光輝とは、それ自体ただ太陽の恩恵によるとしか見えないが、実は昼の明るさ、天空の広さ、夜の闇をはじ…

ある人が書いた論考をここで紹介したい。彼岸と此岸 人間と建築の間合いについての省察1 この論考は現代の自然の中に溶けてしまったり、全く存在感を消し去った建物と古代の諸神殿建築との間に一つの線を引くことを試みた。もっとも、偉大な先人たちがモダニ…

"孤児たちのお年玉" アルチュール・ランボー 1869年末室内は黒々とした影におおわれ、二人の子供の悲しげなやさしいひそひそ話しがかすかに響いてくる。その頭は、はためき持ち上がる白く長いカーテンに隠れていまだ夢に耽って重く鈍く傾いでいる…戸外では鳥…

「マドレーヌ フォン·ブローグリー侯爵夫人に」そうだ 私たちはいるのだ けれども私たちにとって日々が速かにまぼろしとともに過ぎ去ってゆくのは ほとんど羊の群にとってと変りがない私たちもまた牧場がたそがれる度毎に帰ってゆくことを望んでいるのに 誰…